あせらず行こう

小高くなっているはずの部分が
随分低くなっていて
低くなったその頂上付近に居座る
違和感たっぷりのショベルカー。

ヤツがガツガツガツガツと
削ってしまったんだな～、と
ものすごく寂しい気持ちになりました。

町はどんな場所でも
姿を変えていくものだと
頭で解っているのだけれど
出来るなら
あの坂はあのままでいて欲しかったと
独りよがりな心持ち。

寝坊した朝
タクシーに乗って通る出勤路のあの坂。
そこから桜坂の飲み屋街の入り口を掠めるとき
ついさっきまで大人たちが遊んでいたんだな～と
プンプン感じるその匂い。

明け方まで桜坂で飲んで
樋川まで歩いて帰るその道中が
ものすごく好きで
私の沖縄の本当の意味での始まりの匂いと
強烈に重なるその風景。
あの空気感。

近い将来
遠い昔のことになってしまうんだろうな～。

これからどんどん変わっていく桜坂。
きっと
私が再び自由に夜の町を徘徊出来る様になったとき
そこに私が求めている風景は
ほとんど無くなってしまっているんだろうな。

などと
ツラツラ考える帰り道。


戻りたいとは言わないけれど
少しだけ感傷的になってしまいましたとさ。